尊厳とは?

人間にとって尊厳とは?  2018.8.6 民友新聞より

お話は坪井病院顧問  清水 千世氏


人間にとって尊厳とは?
人間はいつかは死ぬという中で、医療に求めるものは何なのか。

治療で治したい。治らない時は少しでも楽になりたい。楽になれないなら少しでも
痛みを和らげたいと考える。

死を直前にして共通していることは、最後まで人して大切にされたいということだ。

日常の延長の中で可能な限り過ごしたい。希望や楽しみを見出したり、医師や看護師を
信頼する。又は落ち着いた場所で過ごしたい。

病気になるといかに当たり前の事が当たり前になっていないかと感じる。

人生に何が大切なのか。
人それぞれ答えが違う。他人が判断出来ないこともあり、望ましい死を迎えるためには
何が必要か考える必要もある。

人は生きていることに意味がある。
人生は愛おしい。

尊厳は多種多様。

自分の人生を自分なりに生きていくことと同時に、身近に居る人を大事にしてほしい。

以上記事より。

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そんなことを考えるのは、7月に姪っ子の旦那さんが7月の誕生日を迎えたばかりの
63歳で亡くなった事がきっかけでした。

パーキンソン病という難病と20年間闘い続け、この夏の暑さに生きる努力も
もぎとられて逝きました。

63歳。筆者と同年齢なのです。こんな時自分は何とも悔しい、やるせない思いを
しています。あのキャンデイーズのスーちゃんが亡くなったときも。

あの時は東日本大震災の痛みに加え、とても力を失った思いをしたものでした。

そんな気持ちが姪の旦那さんが亡くなった時に蘇ってきたのでした。

彼はパーキンソンになった時点で既に生きる気力を失ってしまったようでしたが、手術
次第で取り戻せる可能性が有ると、何度も資料を送ったり、説得したりしたのですが、中々受け入れてもらえず、徐々に強い薬へと進んでいき最後には自分の部屋からも
出られない様子でした。

もう少しだけ、姪や子どもたちの事も考えらなかったのかと悔やまれます。

本人にとっては苦しみでしかない20年だったと思いますが、その苦しみからようやく
逃れられた7月の誕生日なのでした。

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